42歳若年性脳梗塞余命5年→多発性硬化症 入院生活26日間を終え退院

42歳サラリーマン。2015/11/26めまいで脳外科受診すると「若年性脳梗塞」で緊急入院。さらに痛風 糖尿 心筋梗塞 脳動脈硬化 全て直前状態。このままでは脳以前に余命5年との宣告。生き残るため肉体改造へ12/21まで26日間入院生活で10キロ減。現在の病名は「多発性硬化症」。ツイッターhttp://twitter.com/tahatsu112615

刺され過ぎ もう血管がない

入院の定番と言えば点滴。
これがあるとグッと患者らしく見える。
現在の私はもう外れており
本当にただのヒマ人にしか見えない。

入院開始すぐ点滴だった。
はじめは正直なんてこともなかった。
別に普段から注射が苦手だったこともない。

ただ昔から健康診断のたび言われることがあった。
『あれ。血管見つかりませんねえ』
私はどうやらそうらしい。
それがまさか地獄を招くとは。

初日はなんでもない。
左腕中ほどに注射針を刺す際
看護師が少々苦戦していた程度。
一晩中刺しっ放しで別にどうもなかった。
翌日昼過ぎに少々だがしびれを感じ始める。
少しでも異常を感じれば知らせるよう言われており
素直にナースコール。
まさかこれが間違いとは。

駆け付けた看護師がしびれ始めた左腕から針を抜く。
スッとしびれがなくなる。
ホッとする。
そして再び針を用意する看護師。

『あれっ』
戸惑っている。
もう左腕に血管が見当たらないそう。
ベテラン風看護師が駆け付けた。
でもやっぱり戸惑う。

『XXさんすみませんが今回右腕でもいいですか』
んーまあしょうがない。
別に大丈夫だろう。
そう思ったが間違いだった。

利き腕の右腕に点滴をされると
全くスマホがいじれない。
ただヒマすぎる。
一晩ガマンしてまた場所変更。
この判断も間違いだった。
まだ全然痛みはなかったのに。
私は大後悔する羽目になる。

次に刺されるのが左手甲になってしまった。
スマホはいじれるが
とにかく痛い。
自分の判断を呪った。
だがまだ続きがある。

ついに右手甲の出番になった。
これは最悪だ。
痛みで箸が持てず飯もロクに食えない。
スプーン持って来てもらい流し込む。
一晩中地獄の苦しみをタップリ味わう。

翌朝完全に刺せる場所がないとなった。
その場の看護師全員ギブアップ。
ついに医師が駆け付けた。

最初は余裕を見せる医師。
『えー。どれどれー』
だがやっぱり
『こ、これは』
と言ったきりしばし絶句。

左腕に念入りマッサージを始めた。
『よしっ』
左腕中程にブスリと。

全然痛くないよ。
もうこの場所ならずっと刺されてていい。
しびれて来ても我慢する。

そう誓った翌朝。
数日ぶりに姿を見せた主治医が笑いながら言った。
『XXさん点滴効かなかったからもう終わりにするねー。痛かったんだってー?』

だからお前はなんでそんなに楽しそうなんだ!